介護の2025年問題とは?これからの介護職に求められること

「2025年問題」という言葉を聞いたことはありますか?
2025年問題とは、人口比率の高い団塊の世代*が2025年までに後期高齢者(75歳)に達することにより、介護・医療費などの社会保障費の急増が懸念される問題のことです。日本にはおよそ1000万人もの団塊世代がいると言われ、その多さは突出しています。
本記事では、この2025年問題の概要とこれからの介護職に求められることについて解説します。

*団塊世代:1947~1951年に生まれた世代で、現在60歳代の中心を構成している人たちのこと。

 

目次

1.現在の高齢者の世帯数

厚生労働省が発表している「高齢者をとりまく現状・課題」を見ると、65歳以上の高齢者である世帯数は2005年には 約1,340 万世帯でしたが、2025年には、約1,840万世帯に増加すると言われています。また、高齢者の世帯の約7割が、一人暮らし・高齢夫婦のみの世帯が占めると見込まれます。中でも高齢者の一人暮らし世帯の増加が著しく、約 37%に達すると見込まれています。

 

2.2025年問題の影響

(1)人口減少

日本は、1997年に高齢者よりも子どもの数が少なくなり、名実ともに「少子社会」なりました。これは、長期的に人口が安定的に維持されるとされている、「1人の女性が一生の間に産む子の数(合計特殊出生率)」2.08を、1974年以降下回り続けた結果です。

政府としても、エンゼルプラン、次世代育成支援対策推進法、少子化社会対策基本法、少子化社会対策大綱及び子ども・子育て応援プラン、「子どもと家族を応援する日本」重点戦略など、様々な施策を打ち出していますが、出生率は2005年に底を記録して、現在わずかに増加しているという状況です。日本の諸社会情勢から考えてこの増加率では、少子化問題を解決できるほどの回復は見込めないと考えられています。実際に夫婦に何人の子どもがいるか?という「完結出生児数」から見ても、昭和40年台は4,27人ですが、2015年は1.94人となり、ほぼ半減という結果が出ています。

また、全体で見ても、内閣府の発表では、2015年10月1日現在の日本の人口は1億2,711万人であり、内14歳までの年少人口は1,611万人で、全体の12.7%となっています。このまま日本の人口は減少し続けると予想されており、2060年には8,674万人にまで減少すると予想されています。

(2)病院や医師の不足

減少するのは人口だけではありません。2017年以降、病院や医師の数も減少傾向にあります。すでに地方では、医療を受けたくても設備が無かったり、医師がいなかったり、救急患者が病院をたらい回しにされる事例も数多く出ています。また、医師の人手不足による過酷労働状況が表面化し、新たな問題になっています。2025年問題では、このような医療の現場と医師数の減少、高齢者医療のキープのための税制上の問題に加え、医療が不可欠である高齢者が増加し続ける状況という複雑な状況が予想されています。

(3)医療費による財政の圧迫

医療保険給付という側面を実際の数字からひも解いてみると、厚生労働省の資料によると、2025年の医療保険給付は総額54兆円と、現在より12兆円以上も増える見通しです。この額は上記に示したように著しい若年層の人口減少による税収不足から計算すると、現状のままでは賄いきれない金額となっています。

(4)介護職を取り巻く現状

病院をはじめとする医療現場の医師の人手不足の話は先ほど挙げましたが、同時に看護師や介護士の不足という問題も喫緊の課題となっています。
特に現在、心配されているのが「認知症患者」の急増という問題です。2025年には、認知症高齢者の人数は1,200万人を超えると予想されています。実際に65歳以上の高齢者のうち、認知症高齢者で自宅以外は未開の地となる日常生活自立度Ⅱ以上の高齢者は、2010年では280万人だったのに対し、2025年には470万人と急増するとも予想されています。この認知症患者の急増は、病気の患者とは異なる意味で、医療、地域や家族を圧迫するものになります。

 

3.2025年問題から介護職に求められること

2025年問題を背景に、介護職の重要性と期待が高まる一方で 、「忙しい」「 給料が安い」「体力が必要」など、大変さがクローズアップされている現状も影響し、人材不足が常態化しています。
そのため、今後は介護職経験者のみだけではなく、介護職未経験人材の採用も重要となってきます。

※介護職と一言で言っても仕事の内容は多岐に渡るため、詳細は下の記事をご覧ください。

どの介護職を選ぶ?入所系、通所系、訪問系の仕事内容と給与の実態を解説!

 

4.未経験でも介護職に向いている人は?

介護職未経験者のニーズも高まっている中、介護職に向いている人にはどんな特徴があるのでしょうか?

まず、大前提として、介護職は愛をもって人と接することが重要な仕事なので、「人と関わる事を楽しめる人」や「細やかな気配りが出来る人」に向いていると言えます。人と関わるサービス業や接客業の経験者が介護職に転身する人が多いのも、この共通性があるでしょう。

<未経験でも介護職に向いている人の性格的な特徴例>
・責任感が強い
・ボランティア精神が旺盛
・人と接するのが好き
・人を喜ばせるのが好き
・社会貢献が好き
・思いやりがある
・やさしい
・仕事を同時進行できる人

<未経験でも介護職と親和性の高い職種例>
営業職経験者:営業職は人と接して販売する事が仕事のため、人の心の機微をつかみ、期待に応えることに長けている可能性が高いです。この能力は介護職に応用できます。

専業主婦や主夫:介護職とは「生活のお手伝い」です。日常生活において、より生活を良くするために何を改善すればいいのか?という視点やアイディアは介護職に応用できます。

サービス業経験者:接客などのサービス業はお客様をもてなすプロです。近年、さらなるレベルアップのために、介護職も「もてなす」心の重要性が注目されているため、従来の介護現場にはなかった視点が介護職に活かせる可能性が高いです。

 

5.自分に合った介護職を見つけるために転職エージェントを活用しよう

介護職は将来性が高く、求人の多い職業です。そのため、ハローワーク、求人誌、求人サイトでも多くの求人を確認できます。
しかし、ニーズが高い分、自分にあった職場を見つけるには、多くの求人を比較してエントリーして面接を受けて…となると、転職活動には多くの時間と労力がかかってしまう問題を抱えています。

そこで、ぜひ活用していただきたいのが「転職エージェント」です。転職エージェントは、転職事情に精通した専門コンサルタントが、求職者の希望する条件を把握し、適性と希望をしっかり見極めた上で求人紹介を行います。紹介する求人は、一般には公開されていない、いわゆる「非公開求人」も多く取り扱っており、求人サイトやハローワークでは出会えない求人を紹介してもらえる可能性も高いです。

また、求人の紹介のみならず、転職相談、書類の書き方、面接アドバイス、入社まで、転職成功に向けたサポートを無料で受けられます。例えば求人企業の社風や年齢構成、詳細な仕事内容、中途入社の割合、実際にもらえる年収など、直接応募ではなかなか聞けない情報をコンサルタントを介して聞くこともできます。

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6.まとめ

日本は超高齢化社会に突入し、今後ますます「要介護高齢者」の数が増加していきます。これに伴い、日本の老人福祉介護事業の市場規模は年々増加しています。しかし、日本は少子化の影響で労働人口が年々減少していることから、介護に携わる人材不足が深刻な問題となってきているのは先に述べた通りです。
こうした背景から、雇用側は福利厚生や働きやすい環境の整備を進めており、行政も市区町村が中心となり、「住まい」「医療」「介護」「生活支援・介護予防」を包括的に体制を整備していく「地域包括ケアシステム」を推進してます。
まだまだこれから職場環境や福利厚生は整備されていく段階ではありますが、行動が移しやすくなってきているこの機会に、やりがいを感じながら介護職として働ける職場を見つけてみるのはいかがでしょうか。

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