介護職の現場が変化している!魅力ややりがいを高める働き方改革の実際とは

介護職はきつくて大変とういイメージを持たれがちです。しかし、そんなイメージを払拭すべく、さまざまな取り組みが導入されはじめています。この記事では、介護職の働き方がどのように改善されつつあるのか、具体的な事例をもとに解説します。

 

目次

1.介護職にもたれがちなイメージとは

介護職に対して「3K」ということがいわれがちです。「3K」とは、「きつい」、「汚い」、「危険」の3つです。では、どのような部分が3Kなのでしょうか。たとえば、自分よりも重い人を車いすに乗せたり、入浴させたり、抱えたりという場面が数多くあります。また、職場によっては夜勤があり、勤務が変則的になる可能性があります。これらのことから、体力的な限界を感じたり、体を痛めたりすることがあるかもしれません。

また、排泄介助やおむつ交換などをはじめ、食事中のよだれや食べこぼしの処理なども業務のひとつです。人によっては、業務だと割り切れない人もいるでしょう。さらに、介護の現場はインフルエンザやノロウイルスなどの集団感染が起こりやすい環境です。そのため、感染のリスクが高く危険だとイメージする人もいるでしょう。

こういったマイナスイメージを持たれやすい介護職ですが、反対に前向きなイメージを持つ人もいます。自身の介護によって、高齢者や障がい者の生き生きとした暮らしを実現できる喜びを感じられる環境です。また、日々感謝の気持ちを伝えてもらえる環境でもあります。キャリアアップしやすい職種でもあり、目標を持って常に自分を高められます。

 

2.人手不足や報酬ダウンなど介護職の課題

人手不足
厚生労働省によると、2025年度は全国で約38万人の介護職員が不足するといわれています。高齢化社会が訪れるのに伴い、介護サービスの需要は増え続けます。2025年度は、介護職員が必要な人に対し、実際に働ける介護職員の割合は約85%と予測されているのです。なかには、69%と7割以下になると予想されている県もあります。特に関東エリアでは、介護職員が不足しやすいと予想されています。

・低賃金
厚生労働省の調査によると、全産業の月平均現金給与額は32万3,800円です。しかし、介護事業は23万9,500円となっており、約10万円も低くなっています。

・人手不足や低賃金の課題に伴う介護レベルの低下
勤続年数の平均は、ホームヘルパーは約5年、福祉施設介護員は約7年と短いことから、技術力が身につく前に職を離れがちです。そのため、不慮の事故が起こることがあります。また、課題に対する不満のはけ口として、利用者への虐待も発生しているのです。

 

3.介護職の労働環境改善

厚生労働省は、介護職員の不足を埋めるため「総合的な確保方策」を策定しました。この施策は3つの柱で成り立っています。
・1つ目の柱「参入促進」
あらゆる人材の参入を促進するものです。そのために、地域ボランティアとして中高年齢者を呼び入れます。また、地域志向型の若者の掘り起こしにも力をいれます。

・2つ目の柱「資質の向上」
介護福祉士の資格取得方法の見直しや、研修の受講支援などを掲げています。こうすることで、専門的な知識を持った人材を育てることにつなげます。さらに、専門的な知識を持つ人に資格を与えることで、賃金アップにもつながることを見込んでいるのです。

・3つ目の柱「労働環境・処遇の改善」
長期間にわたって働ける環境づくりを行うもので、資格取得の支援が掲げられています。さらに、離職した介護福祉士への再就業支援対策なども行う方針を打ち出しているのです。

また「総合的な確保方針」に加え、10年以上勤続している介護福祉士に対して月8万円の処遇改善加算が行われることが2018年に閣議決定しました。さらに、介護福祉士の養成学校の学生が資金援助を受けられる「修学資金貸付制度」への予算も組まれています。介護職で5年以上働くことで返済の必要がないため、今後介護職を目指している人にとっては資格が取りやすい環境と言えるのではないでしょうか。

 

4.働き方改革

◎岡山県の場合
・「社会福祉法人しあわせの郷」(岡山県備前市)

育児休業明けのならし勤務制度を導入しています。育児休業から復帰したときに、スムーズに復職できるよう、育休明けの1カ月間は1時間単位で勤務時間を選ぶことが可能です。この制度のおかげで、子どもが保育園に慣れるまで勤務時間を調節することができるようになり、新しい生活に親子でスムーズに移行できるようになりました。また、管理職研修へ参加したり、社内勉強会を開催したりすることで、女性のキャリア継続への理解を施設全体で深めています。

・「和みのとき」(岡山県岡山市)
管理職がイクボス研修に参加し、そこで学んだことをもとに社内研修を行っています。さらに、自社に必要な取り組みの検討も同時に行いました。その結果、ならし制度を導入し、育休からスムーズに復職できるようにしています。

◎広島県の場合
・「医療法人ハートフル」(広島県廿日市)
従業員の声をしっかり拾って問題解決が速やかにできるよう、改革の中心に「多様な働き方改革プロジェクトチーム」を据えています。あらゆる部署や職責のメンバーによって構成することで、問題をとらえやすくしているのです。聞き取りやアンケートをもとに、要望や問題を把握し、法人全体で共有してから改善策を立案及び実施しています。その結果、育児短時間勤務の期間延長や法人内の学童保育の設置などが提案されました。従業員側から、制度の改善や新設に関する意見を出すことで、スムーズに受け入れられています。

・「優輝福祉会」(広島県庄原市)
ボラバイトを募集することで雇用者の幅を広げました。ボラバイトは、ボランティアとアルバイトを複合した働き方です。短時間や週に1度、ボランティアでまずは職場の雰囲気をつかみたいなど、あらゆる働き方を選択できます。雇用年齢に制限はなく、登録制なので仕事内容も働く日時も選べます。登録者の約半数は65歳以上の高齢者となっており、働く場の提供とともに、施設側にとっても人材確保につながっている取り組みです。さらに、最長3年間の育児休業を導入したり、事業所内保育所を設置したりすることで、働きやすい環境づくりを行っています。保育園には、0~6歳まで無料で預けることができます。
また、有給休暇の取得促進を目指し「メモリアル休暇制度」を導入したことも工夫のひとつです。自分や家族の誕生日や結婚記念日など、どんな記念日でも対象に、年間2日以上の休暇を取得できる制度です。9月に年間の休暇をとりたい日の予定を出し、勤務表に組み込むことで、確実に取得できるようなシステムを組んでいます。

・「株式会社QOLサービス」(広島県福山市)
「では、研修を勤務時間に無料で受講できる制度を導入し、資格の取得をバックアップしています。奨学金制度もあり、働きながら介護福祉士や看護師など国家資格を取得することが可能です。さらに、勤務年数に応じて食事会や沖縄旅行、自由プランの旅行などが楽しめる褒賞制度「ハッピーイヤー制度」をはじめ、誕生日プレゼントや職員間のありがとうカード、部署交流会費の負担など、福利厚生を充実することで、従業員のモチベーションを高めています。

「社会福祉法人しあわせの郷」

和みのとき

医療法人ハートフル

優輝福祉会

株式会社QOLサービス

 

5.自分に合った介護職を見つけるために転職エージェントを活用しよう

介護職は将来性が高く、求人の多い職業です。そのため、ハローワーク、求人誌、求人サイトでも多くの求人を確認できます。
しかし、ニーズが高い分、自分にあった職場を見つけるには、多くの求人を比較してエントリーして面接を受けて…となると、転職活動には多くの時間と労力がかかってしまう問題を抱えています。

そこで、ぜひ活用していただきたいのが「転職エージェント」です。転職エージェントは、転職事情に精通した専門コンサルタントが、求職者の希望する条件を把握し、適性と希望をしっかり見極めた上で求人紹介を行います。紹介する求人は、一般には公開されていない、いわゆる「非公開求人」も多く取り扱っており、求人サイトやハローワークでは出会えない求人を紹介してもらえる可能性も高いです。

また、求人の紹介のみならず、転職相談、書類の書き方、面接アドバイス、入社まで、転職成功に向けたサポートを無料で受けられます。例えば求人企業の社風や年齢構成、詳細な仕事内容、中途入社の割合、実際にもらえる年収など、直接応募ではなかなか聞けない情報をコンサルタントを介して聞くこともできます。

岡山と広島で仕事を探すのであれば、岡山と広島の転職事情に精通したオカジョブキャリア、ヒロジョブキャリアを利用してみてはいかがでしょうか。岡山、広島での転職成功実績多数で、経験豊富なコンサルタントが求職者の転職成功をサポートしています。

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6.まとめ

体や心がつらくても我慢して働き続けるしかないという介護職のイメージは、変わりつつあります。自身の生活や体力に合わせた働き方を選んだり、職員のケアが充実している施設を選んだりすることで、長く意欲的に働けるのではないでしょうか。介護職は大変なだけではなく、やりがいや喜びを感じられる仕事でもあります。長く続ければ、そのぶんだけスキルや知識を身につけてスキルアップすることもできるでしょう。自分にはむずかしいと思っていた人も、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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