第二新卒の転職は難しい?企業のホンネと岡山・広島の転職市場の実態

新卒で入社して数年。今までがむしゃらに働いてきたけれど、今後の自分のキャリアを考えたときに、「このままでいいのかな」「新しいことにチャレンジしてみたいな」と考える人も少なくないと思います。
一方で、日本では全国的な人手不足の影響で、超売り手市場が続いています。特に人手不足が深刻な地方では、第二新卒の採用に注目する企業が増加しています。

今回は、岡山・広島の第二新卒市場の現状を解説。第二新卒に対する企業のホンネ、第二新卒で転職するメリット・デメリットをご紹介します。また、第二新卒として転職を考えているあなたへ、転職成功のためのポイントをお伝えします。

 

目次

1.第二新卒とは?新卒の離職状況は?

一般的に第二新卒とは、学校を卒業後に就職したものの、3年以内に再び転職活動をする若手求職者を指します。大卒の年齢が22歳なので、大体25歳前後を指すことが多いですが、最近では就職経験のある20代全般を指す場合もあるようです。

次に新卒の離職状況ですが、厚生労働省の調査によると、2015年3月に大卒で就職した人の3年以内の離職率は31.8%。高卒では39.3%という結果が出ています。産業別に見ると、宿泊業・飲食サービス業が49.7%と最も高く、教育・学習支援業が46.2%、生活関連サービス業・娯楽業が45.0%という状況です。傾向として企業の規模が小さいほど早期離職の割合が高くなり、5人未満の企業では57.0%という結果が出ています。
この調査から、大卒では3人に1人、高卒では4人に1人が、入社3年以内に離職していることが分かります。以前は「入社後3年はその企業で頑張りなさい」という考え方が一般的でしたが、最近は求人倍率が上昇している影響もあり、3年経たないうちに離職する若者が増加しているようです。

【参考】厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成27年3月卒業者の状況)を公表します」(2018年10月23日)

 

2.第二新卒が注目されている理由

少し前まで中途採用のターゲットと言えば、即戦力となるミドル層(30代)がメインでした。しかし、近年は売り手市場の影響で、ミドル層の優秀人材を確保することが難しくなっています。また少子化により、新卒採用に苦戦する企業も増えています。特に、従業員の高齢化が進む企業では、会社の未来を担う若手人材の確保が重要課題となっていますが、ネームバリューの低い企業や地方の中小企業では、学生の応募が集まらず採用予定人数が確保できない、内定辞退が相次いでいるという状況に陥っています。

岡山・広島の有効求人倍率を見ても、ここ数年は非常に高い状況が続いています。2010年頃から全国有効求人倍率は右肩上がりとなっており、平成30年8月時点の全国有効求人倍率は1.63倍。岡山県については2.03倍、広島県は2.13倍と、全国の数値を上回る状況です。

このような背景から、人材確保が難しい中途採用や新卒採用よりも、必要最低限のビジネスマナーや社会人スキルが身についていて、尚且つ特定の企業文化の影響を受けていない「第二新卒」は、教育にコストがかからず育てやすいことからも、積極採用する企業が増えています。

 

3.企業が第二新卒者に期待していること

一方で、多くの採用企業では、第二新卒者は「即戦力にはならない」と認識しています。
それでは、企業は第二新卒者にどのようなことを期待しているのでしょうか。

第二新卒で最も期待されているもの、それは「ポテンシャルの高さ」です。その人に伸びしろがあるか、自社に貢献してくれる人材であるかなど、入社後に大きな成長が見込めるかどうかを採用担当者は重視しています。また、以下の内容も採用時に重要なポイントとなります。

・入社意欲、やる気の高さ
・社風に合う人材か
・キャリアの方向性が定まっているか、それに対して具体的な行動ができているか
・社会人としての基本ができているか
・誠実で素直であるか
・柔軟で前向きな考え方ができるか

 

4.第二新卒で転職するメリット・デメリット

第二新卒での転職は、本人にとってどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

メリット

・キャリアチェンジが可能
「今の仕事内容が向いていない」と感じている場合は、第二新卒での転職をオススメします。第二新卒はやる気と潜在能力が重視され、経験を問われないため、キャリアチェンジするタイミングとしてはベストと言えます。逆に年齢を重ねると、それまでの経験を活かした業種・職種への転職がメインとなるため、大きなキャリアチェンジはしにくい傾向にあります。

・中小企業は内定が出やすく、キャリアアップもしやすい
大手企業以上に人手不足が深刻な中小企業では、採用・教育にかかるコストが低い第二新卒者を積極的に採用する傾向にあります。また、大手企業と比較して従業員数が少ないため、活躍できる場面も増えることから、努力次第でキャリアアップもしやすいと言えます。

デメリット

・給与などの待遇は新卒採用と同等
第二新卒は専門的なスキルや知識がないことから、待遇は新卒採用と同等でスタートする場合がほとんどです。大幅な給与アップを目的とした転職は難しいと考えていたほうがよいでしょう。ただし、前職で特筆できる経験がある場合、成果を出している場合は給与交渉も可能です。

・信頼関係を築く努力が必要
前職を早期退職していることから、企業からは「またすぐに辞めてしまうのではないか」と思われる可能性があります。また、社内の人間関係も一から築き直す必要があるため、入社後は周囲としっかりコミュニケーションを図り、信用・信頼を得る努力が必要です。

 

5.第二新卒の転職で失敗する人の4つの特徴

売り手市場で第二新卒の採用が注目されているとはいえ、明確な目的や理由がない状態での転職は失敗のリスクが高まります。
次に挙げるのは、第二新卒の転職で失敗する人にありがちな特徴です。

(1)目的意識やキャリアビジョンがない

「今の会社が自分に合わない」「条件が良ければどんな仕事でもいい」という漠然とした理由での転職は、次の会社で仕事内容や社風が自分のイメージと違った場合に、不満を感じて転職を繰り返してしまう可能性があります。入社後のミスマッチを防ぐためにも、まずは、なぜ転職したいのか、どのような仕事をしたいのか、仕事に何を求めているか、仕事を通して何を実現したいかなど、転職の目的と今後のキャリアビジョンを明確にしておきましょう。

(2)ネガティブな理由で転職する

「労働環境が悪い」「給料が低い」「人間関係が上手くいかない」など、仕事内容以外の理由で転職するケースは注意が必要です。ただし、勤めている会社が悪質なブラック企業の場合もあるので、このような理由で転職すること自体は悪いことではありません。しかし、それをそのまま転職を希望する企業に伝えてしまうと、また同じような理由で会社を辞めてしまうのでは…と思われてしまう可能性があります。転職理由を伝えるときは、あくまで自身のキャリアに視点を向けた内容にしましょう。

(3)福利厚生など条件ばかりを重視している

転職するなら「今より労働条件や福利厚生が良い企業に行きたい」と考える人も多いと思います。しかし、条件面ばかりを重視していると、当然ながら採用担当者からの印象は悪くなります。いくら売り手市場と言っても、企業は自社にとってメリットの無い人材は採用しません。条件面も大切ですが、まずはその企業に入社して自分がどんな仕事をしたいのか、企業や社会にどのように貢献できるのか、企業があなたを採用するメリットを考えましょう。

(4)新卒の就活と同じやり方で転職活動をしている

第二新卒で転職を考えているという今の状況は、そもそも学生時代の就職活動の時点で、自己分析や企業選びに問題が生じていた可能性があります。そのため、新卒の就活と同じやり方や考え方で転職活動をしてしまうと、転職先の企業でも同じことを繰り返してしまう危険があります。第二新卒の転職活動では、新卒の就活での失敗を振り返りながら、もう一度自己分析をやり直し、自身の強みや特性を見つめ直すことが必要です。

 

6.第二新卒の転職を成功させるためにやるべき3つのこと

第二新卒での転職は、企業にアピールできる経験やスキルがないぶん、なぜその業界や職種を希望するのか、なぜその企業へ入社したいのか、自分の強みは何か、それをどのように活かして企業に貢献することができるのかを、適切に企業に伝えられるかどうかが転職成功のカギとなります。
そのために、是非実践していただきたい3つの取り組みをご紹介します。

(1)自己分析で自分の強みを知る

転職に至った原因の一つに、新卒の就職活動で自己分析が不十分だったことが考えられます。転職先で同じ失敗を繰り返さないように、いま一度、自己分析を行い、自分の性格や強みを認識しましょう。特に「強み」を知ることは入社後のミスマッチを防ぐための重要なポイントとなります。効果的な自己分析の方法については『転職成功のカギは自己分析!自分の強みを知ってミスマッチを防ごう』でご紹介します。

(2)業界・企業研究をする

志望する業界の現状を知り、将来性を考えることも、自身のキャリアプランを立てるうえで重要です。また、企業研究は必ず行いましょう。企業の歴史や経営者の思い、社風、事業内容を知ることは、志望動機を明確にするために必要となります。企業研究の際は、同業他社の情報も併せて調べてみましょう。何社か比較することで、それぞれの企業の特色が分かり、なぜその企業に入社したいのかという志望動機がより明確になります。

(3)いまの仕事を続けながら転職活動を行う

会社を早く辞めたいがあまり、転職先が決まる前に退職してしまうと、万一すぐに転職先が見つからなかったときに、経済的な理由などから焦ってしまい、「早く転職すること」が目的になってしまう可能性があります。自分に合う企業をきちんと見極めるためにも、いまの仕事と並行して転職活動を始めることをオススメします。

 

 

7.第二新卒の転職で迷ったら、転職のプロに相談しよう

第二新卒が企業に注目されているとはいえ、初めての転職は、何から始めたらよいか分からない、自分に合う企業の見つけ方が分からないという人も少なくありません。また、同じような失敗を繰り返すことを恐れて、一歩踏み出す勇気を持てない人もいると思います。そんなときは一人で悩まず、無料で利用できる求人紹介サービス「転職エージェント」を活用してみましょう。

岡山・広島で転職をお考えの方は、岡山・広島の転職事情に精通した転職エージェント「オカジョブキャリア」「ヒロジョブキャリア」がおすすめです。経験豊富なコンサルタントが、あなたの悩みや現状を丁寧にヒアリングし、希望条件に合う企業を紹介してくれます。

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