転職するのに必要な手続きは?(1)~書類・備品編~

無事に転職が決まり、ホッと一息…
そんな時間も束の間、次は退職に向けていろいろな手続きを行わなければなりません。
本記事では、退職時に会社に返却・受け取る書類・物品について必要な手続きを解説します。

目次

1.転職が決まった!次にすべきことは?

転職が決まると会社や公的機関などに様々な手続きを行わなければなりません。
うっかり漏れがあれば、転職後に困ることになりますので、やることをリストアップして漏れのないように準備を進めましょう。

(1)会社に返却が必要なもの

1.会社の身分証明書、社員章、名刺など

退職する会社に所属することを証明するものは返却しましょう。企業によっては、取引先の名刺も個人情報、機密情報として返却を求められる場合があります。

2.健康保険被保険者証

退職日の翌日に効力を失います。自分のもの以外にも扶養している家族の保険証もあれば、すべて会社に返却しましょう。退職日まで有給休暇の消化で休みを取っている場合など、直接渡すことができない場合は郵送での返却でも問題ありません。郵送の方法は、紛失などのリスクを考慮して、一般書留や簡易書留で郵送することをおすすめします。
余談ですが、会社は社員の退職日から5日以内に、管轄の年金事務所に資格喪失届と保険証を返却しなければなりません。くれぐれも退職した会社に迷惑をかけないよう、退職翌日にはすみやかに返却手続きを行いましょう。

3.通勤定期券

退職時の交通費の清算に関する規定を会社に確認しましょう。一般的に、通勤定期券を現物支給の場合は、退職日に返却が必要となります。通勤手当としてお金が支払わている場合は、退職日以降の交通費を日割りや月割りで返金することになります。
定期券は有効期限が残っていれば、鉄道会社やバス会社で返金手続きをすることができますが、事務手数料がかかったり、有効期限が1ヶ月を切ると払い戻しができないなどの問題が発生することがあります。この場合、手数料をどちらが負担するのか、払い戻しができない分の費用をどちらが負担するのかは、会社によって規定が異なります。

4.制服、鍵、通信端末、事務用品などの貸与物品

会社から貸与されている物品はすべて返却しましょう。会社の経費で購入した物品は会社の所有物です。くれぐれもそのまま持ち帰ることのないようにしましょう。
制服は洗濯するか、クリーニングに出して返却するのがマナーです。

5.業務マニュアル、作成資料・データ、就業規則など

経営や業務に関わる資料は返却しましょう。会社から貸与されている書類はもちろんですが、自身が業務で作成した資料やデータの著作権は会社に帰属します。また、社員には「守秘義務」があり、職務上で得た情報(機密情報)を外部に漏らしてはならないという法律上の義務があります。分かりやすいもので言えば「個人情報」や「取引先情報」です。他にも、会社独自の技術や経営実績など、経営に関わる情報は機密情報となります。

【豆知識】ポートフォリオ(作品集)へデータを使用する場合は?
クリエイターの転職活動にとって、過去の制作実績を載せるポートフォリオは必須アイテムです。しかし、在職中の作品は、会社に著作権や守秘義務が発生するため、その取扱いには注意が必要です。
作品をポートフォリオに掲載しても良いかどうかは、結論から言うと、会社から許可を得られていれば問題ありません。一般的にクライアントがいる場合は、受注時に契約書を交わします。そこに守秘義務の有無、著作権についての取り決めや二次使用についての規定が記載されていますので、内容を会社に確認しましょう。
契約条件によっては、残念ながらポートフォリオへの掲載ができない場合もあります。もし、契約書が交わされていない場合、契約書の内容に不明な点がある場合は、曖昧なまま掲載せず、必ずクライアントに確認するようにしましょう。
契約違反をした場合、無断でポートフォリオに載せた場合は、クリエイターとしての信用を失うだけでなく、賠償責任を問われる可能性があります。

(2)会社から受け取る書類

1.年金手帳

入社時に会社に預けている場合は、忘れず返却してもらいましょう。

2.雇用保険被保険者証

雇用保険に加入していることを証明する書類で、転職先に提出が必要です。この書類は入社時に交付されるもので、一般的に会社が保管し、退職時に本人に返却されます。(会社によっては入社時に本人に渡される場合もあります。)
万一紛失した場合は、住所地にあるハローワークで再発行が可能です。その際、「被保険者番号」が必要となりますので、不明な場合は会社に確認しましょう。

3.源泉徴収票

自宅に郵送してもらいましょう。受け取った源泉徴収票は転職先に提出し、前職分もまとめて年末調整をしてもらいます。

4.退職証明書(希望者のみ)

退職後、配偶者の健康保険の被扶養者になる時などに必要な書類です。

5.在籍期間証明書(希望者のみ)

会社への在籍期間を証明する書類です。

 

上記の1~5については転職先が決まっている人場合に受け取りが必要な書類です。転職先が決まっていない場合は、次の書類も必要となります。

6.離職票

会社を退職したことを証明する書類です。失業給付金の受給手続きに必要となります。転職先が決まっていない場合は、会社に離職票の発行を早めに依頼しましょう。退職日から10日以内に交付され、源泉徴収票と一緒に郵送で送られてくるのが一般的です。

7. 雇用保険被保険者資格喪失確認通知書

雇用保険の資格が喪失されたことを証明する書類です。失業給付金を受給するなどの理由で「離職票」を受け取る場合は発行されません。尚、この書類で失業給付金の申請手続きは行えませんので、どちらが必要なのか事前に会社に伝えておきましょう。

8.健康保険被保険者資格喪失確認通知書

会社の健康保険の資格を喪失したことを証明する書類です。失業中に国民健康保険への切り替えを行なう場合に必要となります。

 

2.まとめ

退職時には、書類のやりとりや物品の返却など、様々なやりとりが発生します。「立つ鳥跡を濁さず」という言葉がありますが、すべてのやりとりを完全に終わらせて、次の職場で気持ちよく働けるようにしましょう。特に書類関係は、転職先が決まっている場合と決まっていない場合で、やりとりする書類の内容が異なります。公的な書類は手続きの期日が決まっていますので、退職する会社に迷惑のかからないようスムーズに手続きを行いましょう。

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