雇用契約書・労働条件通知書の違いは?岡山・広島の転職で確認すべきポイント

入社のときに、会社から雇用契約書や労働条件通知書はもらいましたか?「雇用条件がはっきりしない」ことから生ずる様々な労務トラブルを防ぐためには、こうした書類の内容をきちんと理解しておくことが重要です。そこで今回は、雇用契約書と労働条件通知書の違いと内容、これらの書類に関するトラブル対策について解説します。

 

目次

1.雇用契約書ってどんなもの?

雇用契約書とは、雇用契約の内容を書面にしたものです。これは、法的に義務付けられたものではなく、作成は必須ではありませんが、企業と労働者の契約内容を明確にする観点から、出来る限り作成すべきとされています。これは、契約書を作成することで、労働者に契約内容を理解してもらうという目的があります。契約書は2部作成し、会社、労働者の双方が内容を確認し、署名捺印したものをそれぞれで保管することになります。

雇用契約における「労働契約の内容の理解の促進」について、労働契約法では次のように記されています。

1 使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする。
2 労働者及び使用者は、労働契約の内容について、できる限り書面により確認するものとする。
(労働契約法4条)

 

2.労働条件通知書ってどんなもの?

企業は「賃金、労働時間その他の労働条件」について、労働者に対して書面で明示することが法的に義務付けられています。特に署名捺印等は必要なく、企業側が一方的に通知する書類となっています。
労働基準法では、「労働条件の明示事項」について次のように記されています。

使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。
この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
(労働基準法15条1項)

 

3.労働条件通知書・雇用契約書で必ず確認しなければならないこと

労働条件通知書・雇用契約書ともに、記載事項は同じです。記載事項には、「絶対的明示事項」と「相対的明示事項」があります。絶対的明示事項とは、書面への記載が必須の項目です。相対的明示事項は当該条件を定めた場合に明示しなければなりませんが、法律上は口頭による明示でもよいとされています。しかし、労務トラブル防止のためにも、実際は相対的明示事項も書面で明示するのが一般的です。

絶対的明示事項(必須項目)

1.労働契約の期間
2.就業の場所・従事する業務の内容
3.始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交代制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項
4.賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締め切り・支払いの時期に関する事項
5.退職に関する事項(解雇の事由を含む)

相対的明示事項(任意項目)

1.昇給に関する事項
2.退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払いの方法、支払いの時期に関する事項
3.臨時に支払われる賃金・賞与などに関する事項
4.労働者に負担させる食費・作業用品その他に関する事項
5.安全衛生に関する事項
6.職業訓練に関する事項
7.災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
8.表彰、制裁に関する事項
9.休職に関する事項

書面に記載する義務のない事項についても、昇給、退職手当に関することは特にトラブルになりやすい点でもあるため、事前にきちんと説明をしてもらうようにしましょう。

 

4.労働条件通知書があれば、雇用契約書は無くてもいいの?

先に説明したように、企業は雇用契約書の作成を義務付けられていません。労働条件通知書さえ交付されていれば、法律上は問題の無いことになっています。しかし、労働条件通知書は企業の一方的な労働条件の提示であり、署名捺印も必要がないため、双方が内容を確認したかどうかを証明することはできません。
このようなことからも、労働条件通知書と雇用契約書の両方を作成してもらうことが理想です。もし、雇用契約書を作成してもらえない場合は、作成してもらえないか企業側に依頼してみましょう。

 

5.書面で交付してもらえないときはどうする?

労働条件通知書を労働者に交付する時期については、労働基準法第15条において、「労働契約の締結に際し」とあり、基本的には採用内定時、遅くとも入社時に交付されます。
しかし中には、書面を交付してもらえないまま入社してしまったというケースも多くあります。そのような場合は、入社後に労務トラブルに巻き込まれてしまったときに、企業側と言った言わないの水掛け論になってしまい、労働者が泣き寝入りせざるを得ない状況になる可能性も…

労働条件通知書については、企業は労働条件を書面で明示することが義務付けられているため、必ず交付してもらうように企業に依頼しましょう。万一、頼んでも交付してもらえないときは、労働基準法違反となりますので、労働基準監督署に相談しましょう。
ちなみに、違反した企業への30万円の罰金が課せられます。雇用契約書については作成しなくても罰則はありません。

 

6.まとめ

せっかく入社したのに、実際に働いてみると最初に提示された労働条件と違った!という話はよく耳にします。このような雇用後の労務トラブル防止のため、労働条件の確認は入社前に必ず書面で行い、きちんと保管しておくことが大切です。
また、記載事項についても、労働者が不利になることはあえて明示しない企業があるのもたしかです。記載事項に漏れがないか、不明な点が無いか、しっかり確認したうえで雇用契約を結びましょう。
そもそも、労働条件通知書や雇用契約書を交付してくれないような企業の場合、遅かれ早かれ何かしらの労務トラブルに巻き込まれるリスクがあります。このような場合は早めに転職を考えるのも一つの手かもしれません。

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