日本人の3人に1人が運動不足?仕事のだるさは運動で解決しよう

仕事によるストレスで体がだるいと感じることはないでしょうか。もちろん、過度なストレスは体に悪影響を与えるもの。しかし、体調不良はストレス以外に、運動不足が影響していることもあるのです。この記事では、仕事によるだるさを運動で解消できることについて紹介します。

 

目次

1.運動不足は深刻化している

世界保健機関(WHO)の調査結果によると、2016年には18歳以上の成人のうち、およそ14億人が運動不足であったといいます。ここでいう運動不足の定義とは、緩い有酸素運動であれば週に150分、少しきつめであれば週に75分以上行っているかどうかです。
また、2001年の調査開始以降、いわゆる高所得国では運動不足に陥っている人の割合が増加しているという報告もあります。日本でも3人に1人が運動不足であるといわれており、事態は深刻であると言えます。もちろん、運動不足がただちに病気に結びつくわけではありません。しかし、運動不足は健康へのリスクをじわじわと高めていきます。特に、運動不足といわれる人で座ったままの状態でいることが多い場合、心臓病や脳卒中などに罹る可能性が高まるという研究結果もあるのです。運動不足である人の割合が増えるということは、それだけ健康寿命が損なわれているということを示しています。

 

2.仕事と運動不足の関係とは?

運動不足の割合が増加している主な原因として、座ったままで進められるデスクワークが挙げられます。デスクワークでは体を動かすことがほとんどありません。そのため、仕事以外で体を動かすことがないのであれば、体はどんどん運動不足になっていきます。運動不足のままでいると筋力が弱っていくので、デスクワークでの姿勢が悪くなっていき、体に余計な負荷をかけていくことになるのです。
また、運動不足は血流を悪くしてしまうので、疲労を引き起こす疲労物質を体内に溜めてしまいがちです。特に、デスクワークでは座った姿勢が体を圧迫することで、余計に血流を悪くしていきます。その結果、体は疲労物質を流し出しにくくなり、だるいと感じてしまうのです。
さらには、デスクワークだけではなく、車通勤でほとんど体を動かすことがない場合も、運動不足になりがちと言えるでしょう。こうしたスタイルを抜本的に変えることは難しく、意識的に体を動かさなければどんどん運動不足になってしまいます。

このように、仕事は思いのほか運動不足を引き起こし、その結果として体に負荷をかけるものです。若くて活力のあるうちは、心身ともに受けたダメージも、ちょっとした体調不良もすぐに癒えることでしょう。しかし、運動不足によって体が弱ると、受けたダメージはなかなか回復せず、体にだるさを覚えていくようになります。体がだるくなると動くのが億劫になるので、余計に運動しなくなり、さらなる運動不足を引き起こすことに。仕事による運動不足とは、仕事のスタイルだけではなく、このような悪循環からも生じているのです。

 

3.運動が仕事に与えるメリット

運動することによって得られるメリットは2つあります。
そのうちの1つは、身体機能の向上です。運動すると、体力や筋力が向上します。単純に体が強くなっていくので、長時間のデスクワークによる負荷を相対的に小さくすることが可能です。特に、心肺機能が強くなると、体へ送り込むことのできる酸素量の増加に伴って持久力が向上し、息切れを起こしにくくなります。ちょっとした疲労やだるさが感じにくくなるのです。
運動によるもう1つのメリットは、気分転換です。適度に体を動かすことは気分を高揚させるだけではなく、仕事を含めたさまざまな問題を一時的に忘れて運動に没入できるので、ストレスを解消するのに役立ちます。特に、運動による達成感を覚えると、それが自己肯定となり、仕事での前向きな気持ちにつながるでしょう。
そのほか、運動による適度な疲労は睡眠の質を向上させるので、だるさを取り除くのにも役立ちます。また、副次的な効果として、運動による健康的な体型の維持は自信につながることもあるのです。実際、健康的な体型をした人は、ビジネスシーンでも目立って見えることが多いもの。それは体型が運動によって得られた成果そのものであり、その人の努力が自信となって表れているからだと言えるでしょう。

 

4.仕事をしながら運動するためには

平日に時間がとれる人であれば、その時間を利用してウォーキングやランニング、ジムでのエクササイズなどを行うのがよいでしょう。毎日運動する場合は、1日に10分~30分程度続けるだけでも運動不足を解消できます。いつもより10分早く起きてウォーキングしてみたり、帰宅後に30分ほどランニングしたりするのであれば、比較的簡単に続けられるのではないでしょうか。もちろん、平日に時間がとれないのであれば、休日にまとめて運動するのもひとつです。なお、過度な運動はむしろ体を痛めたり、疲労を残したりする可能性があるので注意しましょう。ダメージを翌日に残さないためにも、運動は適度で心地よい疲労を感じるレベルに抑えることが大切です。

どうしても日中は時間がとれないということであれば、仕事に絡めて取り入れられる運動を考えてみましょう。たとえば、休憩時間中に階段などの段差を上り下りするだけでも、ちょっとした運動になります。急ぎの用事がないのであれば、エレベータは使用せず、階段を主として利用するのもよいでしょう。また、電車通勤の場合はひとつ先の駅まで歩くだけでも、ウォーキングの代わりになります。

しかし、こうした運動も、運動嫌いの人にとってはなかなか億劫なものです。そうした人は、まず運動がつらいものだという意識を捨てることから始めてみましょう。先に挙げたウォーキングもランニングも、体に強い負荷をかけるレベルのものは必要ありません。むしろ、ニコニコした状態で無理なく続けられる強度で構わないのです。食事によるカロリー摂取が極端なものでもない限り、毎日でも少しずつ体を動かしていくことで、運動は心身へ良い効果をもたらします。もちろん、継続して運動するためには、運動にかけた時間や距離、体重や体脂肪率といった数値的な目標を定めるのも効果的な方法です。

 

5.仕事に運動を取り入れている地元企業の事例を紹介

従業員の健康を経営上の課題としてとらえ、健康の維持増進に取り組む企業の動きを健康経営といい、少しずつその動きが広まっています。
岡山県倉敷市に本社を構える旭テクノプラント株式会社は、そんな健康経営を実践する企業のひとつです。同社は、経済産業省と厚生労働省が策定した基準により日本健康会議が表彰を行う「健康経営優良法人」となっています。

2017年、旭テクノプラント株式会社は社内へフィットネスルームを完備しました。気軽に運動ができる設備として、仕事が終わったあとに多くの社員がこれを利用しています。フィットネスルームにはシャワールームが併設してあり、汗をその場で流せる点がより利便性を高めていると言えるでしょう。また、フィットネスルームの設置が功を奏したのか、年に数回のマラソン大会へ社員がエントリーしているとのことです。どの社員も楽しんで参加しているのがうかがえます。

もちろん、フィットネスルームを併設している企業はあるでしょう。しかし、旭テクノプラント株式会社のブログからは、フィットネスルームの設置や活用状況を知らせる記事から、楽しさが伝わってくるのがポイントです。マラソン大会への参加も、少なくとも強制的に参加している雰囲気はなく、参加者の笑顔が楽しさを感じさせます。運動を仕事に取り入れる方法のひとつは、楽しい、やってみたいというような感情の想起です。同社の取り組みは、楽しいからこそ継続できるという、非常にシンプルな理屈を取り入れた一例であると言えるでしょう。

旭テクノプラント株式会社 ホームページ

 

6.まとめ

ちょっと意識を変えるだけで、誰でも運動不足は解消できます。たしかに、日々の仕事をこなすなかで、運動しようという意識を新たに持つのは難しいものです。しかし、運動は何も身構えて行う必要はありません。10分程度のウォーキングをさっとこなすだけでも、継続することで心身に良い効果をもたらします。また、通勤方法や職場内の空間を少し工夫するだけでも、運動は簡単にできるものです。体調不良やストレスでだるさを感じたときこそ運動を始めるサイン。適度な運動を取り入れることで、だるさをやっつけましょう。

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